■前半は攻撃のコンダクター(シャルケ戦)
シャルケ戦でも長谷部はボランチとしてプレーした。3−4−2−1のシステムでのセントラルMFである。
この日は、対戦相手で最下位に沈んでいるシャルケが立ち上がりから引いて守る守備的な戦いを選択したため、ホームのフランクフルトがボールを握って攻め続ける展開で、決定機もかなり作っていたが、フィニッシュに苦労してなかなか先制ゴールを奪えないという展開となった。
長谷部は何度か相手のカウンターの芽を摘む的確なカバーリングも見せたが、前半のプレーは攻撃の組み立てだった。開始7分には早くも長谷部からシャドーの一角、アイメン・バルコクへの「くさびのパス」がスイッチとなって最初の決定機を演出。いつものように、タッチ数の少ない「くさび」でフランクフルトの攻撃を操った。
そして、この日はシャルケ陣内に生じたスペースを利用して自らトップ下まで持ち上がる場面が多く、これまでよりさらに攻撃面での役割が大きくなった。
28分のアンドレ・シルバの先制ゴールは、相手のクリアがフランクフルトの選手に当たるなど、いくつかの幸運によって生まれたものだが、これも長谷部が右サイドのスペースに上がってきたダビド・アブラハムにパスを付けたところから生じたチャンスだった。