大一番「ダービー」目前に覗いたローマ“ポゼッションサッカーの問題点”の画像
インテル戦でのヘンリク・ムヒタリアン(ローマ) 写真:AFP/アフロ

 インテルと2-2で引き分けたローマは、これで10勝4分3敗となった。

 ローマが勝てなかった7試合を、この試合が終了した時点での順位表と照らし合わせると、首位ミランと3-3、2位のインテルとはこの試合で2-2、3位がローマ、4位のアタランタに4-1で敗れ、5位のユヴェントスと2-2、6位のサッスオーロとはスコアレスドロー、7位のナポリに4-0の敗戦、8位のラツィオとは次節対戦で、9位のヴェローナとは開幕戦で0-0(※試合後、ローマ側が登録外の選手を起用していたことにより没収試合となり、順位表は3-0の敗戦扱い)。

 つまり、ローマは2桁順位のチームには取りこぼさず、1桁順位のチームにまったく勝てていないことがわかる。
 
 なぜそんなことになっているのか。

 全体的な話をすれば、パウロ・フォンセカ監督のポゼッションサッカーが対策されている、ということになる。ポゼッション重視で遅攻になることが多いローマだが、しっかりプレスをかけられた時に中盤で起点になれる選手がいない。ヘンリク・ムヒタリアンが唯一クリエイティブなプレーを見せ、下位相手にはそれでスペースが生まれているものの、上位相手にはそれだけでは不十分だ。

 そして、この試合ではもう1つの問題点も明確に示された。

 前半、3-5-2のフォーメーションで試合を進めるインテルは、ローマ対策として定番になっている中盤へのハイプレスではなく、守備時には4-4と5-4の形でブロックを作ってきた。ローマはパスを出せる場所を無くして攻撃が停滞し、ただボールを持たされているだけ、という状態になってしまった。

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