一方の川崎は、記録を塗り替えながら勝ち続けてきたが、ルヴァンカップでは準決勝で敗退してしまったことで3冠の夢が潰えている。そのため、現在でも可能な2冠に対して、チーム全体が飢えている状況といえる。

 今季での引退を表明しているチームのバンディエラ・中村憲剛にとって、天皇杯が最後の戦いになる。J1第33節のリーグにおける等々力最終戦で先発したものの、第34節は欠場しているだけに、この「真の等々力最終戦」にはきっと出てくるだろう。

 また、気になるのがDF登里享平の代役だ。今季、初めてベストイレブンに選出された登里だが、第34節・柏戦で左鎖骨骨折というケガを負ってしまった。回復には2か月半を要するため、欠場は確実。今季のリーグ戦で、登里とともに左サイドバックを務めてきた車屋紳太郎も11月25日に負傷し、全治3~4週間を要する見込みと発表されていた。そのため、この試合でも車屋の出場は微妙な状況だ。その場合、リーグ最終戦でそうだったように、本来は前線の選手である旗手怜央が左サイドバックに入ることになるだろう。

 歴史的な1年の締めくくり、そして、中村憲剛の引退に華を添えるために、川崎はジャイアントキリングを許すつもりはない。

PHOTO GALLERY ■【布陣図】川崎―秋田の予想スタメン■
  1. 1
  2. 2