■地域リーグ対県リーグ/JFL対大学リーグ
Jリーグ以外の主なリーグ戦についても簡単に振り返ってみておこう。
まず、関東大学リーグの優勝争いも12月20日の最終節までもつれ込みそうだ。
ボランチの鍬先祐弥(V・ファーレン長崎入団)を中心にダイナミックな攻撃を見せる早稲田大学と、小柏剛(コンサドーレ札幌入団)と佐藤凌我(東京ヴェルディ入団)の2人のストライカーを擁する明治大学が12月13日現在、勝点44で並んでいるが、明治大学は延期試合が残っているため残り試合数が1つ多いため明治大学有利なのだが、いずれにしても最終節での決着となる。
その他、アマチュアの最高峰リーグ、日本フットボールリーグ(JFL)は前期が中止となり、後期だけの1回戦総当たりという形で行われ、すでに全日程を終了したが、ヴェルスパ大分が初優勝を飾った。昨年まで4連覇していた「絶対王者」のHonda FC(本田技研)はこれまでのような絶対的な存在ではなくなり、4位と低迷してしまった。
さて、話題はいよいよ天皇杯である。
今シーズンの天皇杯はJリーグの日程を最優先したためJリーグ勢は参加しない形で進められ、12月13日に4回戦が終了して4チームが出そろった。12月20日の5回戦でアマチュア代表として勝ち残る2チームが決定し(サッカーの世界で、「プロ」、「アマ」という区分けはあまり意味がないが、ここでは「Jリーグ勢以外」という意味で「アマチュア」という言葉を使う)、準々決勝ではこの2チームがJ2優勝チーム(?)とJ3優勝チーム(秋田)に挑戦。勝ったチームがJ1優勝チーム(川崎)と同2位チーム(?)に挑戦する。
トーナメント表を見ると、川崎に挑戦する側の山には地域リーグもしくは県リーグ所属の地方クラブが集まった。
結局、JFL所属のラインメール青森を破った北信越リーグ所属の福井ユナイテッドが勝ち上がり、関西リーグのアルテリーヴォ和歌山を破った広島県リーグ所属の福山シティFCと対戦する。地域リーグ対県リーグという顔合わせになったのだ。
一方、逆サイドのJ1・2位チームに挑戦する側の山にはJFLや関東大学リーグの強豪が集まった。4回戦屈指の好カードは、今シーズンのJFLで優勝したヴェルスパ大分と昨年までのJFLの「絶対王者」Honda FC(本田技研=天皇杯にはアマチュアシードとして参加)の対戦だった。今シーズン、JFLの覇権を明け渡したHondaとしてはリベンジともなる一戦。富田湧也の14分のゴールを守り切ったHondaが5回戦進出を決めた。
そのHondaと対戦するのが関東大学リーグ1部で茨城県代表の筑波大学。
関東大学リーグの強豪校はJFL上位あるいはJ3リーグと同等もしくはそれ以上の実力を持つ。そのことは、今シーズンのJリーグで三笘薫(筑波大学→川崎)や旗手怜央(順天堂大学→川崎)、安部柊斗(明治大学→FC東京)など大学卒1年目のルーキーが多数活躍したことでも証明されるだろう。
しかし、今シーズンの天皇杯に関東大学リーグから出場したのは筑波大学のみだった。