■楽しい楽しいダブリン観光
ゲーリック・フットボールはサッカーボールより少し小さな円形のボールを使って行うフットボールの一種で、手でボールを扱うこともできます。また、ハーリングは野球のボールのような硬いボールをスティックで打ってパスをつないで相手ゴールにボールを入れるというスポーツです。どちらもH型のゴールを使い、クロスバーより下に入れば3点、上に入れば1点となります。ゴールキーパーがいるので下に入れるのは難しいのですね。
そして、昔のGAA規約では、会員がサッカーやラグビーをプレーしたら除名されることになっていました。支配者であるイングランドのスポーツはそれほど憎まれていたわけです(今はそんなことはありませんが……)。
そして、そのGAAが所有していたのがダブリン最大のクローク・パークだったというわけです。GAAは、もちろんサッカーのためにスタジアムを貸してはくれません(ランズダウン・ロード改築中は例外としてラグビーやサッカーにも使われました)。
アイルランドでは道路標識なども英語とゲール語が併記してあります。アイルランドやスコットランド、ウェールズなどは今でもケルト系文化が色濃く残っている地域です。
さて、ダブリン観光です。街の真ん中をリフィー川という川が流れています。
「どこに行こうかな~」と地図やガイドブックを見ていたら、酒飲みとしてぜひ見学したい場所が2つ見つかりました。リフィー川の南岸にあるギネスの工場と北岸にあるジェムソンの工場跡です。ギネスというのは言わずと知れたあのスタウトで有名なビールです。そして、ジェムソンは最もポピュラーなアイリッシュ・ウイスキーの銘柄の一つです。
両方を回るのは時間的に厳しいのでどちらかを選ぶしかありません。僕はジェムソンを選びました。理由は「どうせなら、アルコール度数が高い方」です。
訪ねたのは1780年設立のボウ・ストリート蒸留所です。今は、蒸留所はコーク市に移っていますが、かつての本拠地ボウ・ストリートは見学施設になっています。稼働していないので蒸留器のすぐそばまで近づいて見学することができます。
まず、アイリッシュ・ウイスキーとスコッチの製法の違いなどを詳しく説明してくれました。スコッチよりも蒸留の回数が多く、またアイリッシュではピート(泥炭)を焚かないので穀物本来の風味が残るといった違いがあります。で、最後はもちろん「アイリッシュの方が優れている」という結論になります(スコッチは“Whisky”、アイリッシュは“Whiskey”とスペルも違います)。
そして、見学の最後にはお待ちかねの試飲会があって、楽しいダブリン観光は終了しました。
ちなみに、試合の方はガブリエル・バティストゥータとアリエル・オルテガの得点でアルゼンチンが2対0とアイルランド共和国を一蹴。日本代表の岡田武史監督もこの試合を偵察に来ており、アルゼンチンの攻撃力の高さを目の当たりにして「スリーバックで守るしかない」という結論に達したということです。