■2021年に考えられる非常事態
先月にはFIFAのジャンニ・インファンティノ会長がワールドカップ最終予選を集中開催方式で行う可能性について言及したという報道があった。まだ、可能性として述べただけだが、2次予選が予定通りに実施できないとすれば、それが現実化することもあるだろう。
あるいは、2次予選がこのまま実施できなければ途中で打ち切られ、現在の勝点状況などを考えて日本の勝ち抜けが認定されるといった可能性もありうる(首位争いが接戦となっているグループでは、上位同士の対戦で勝ち抜けを決めるかもしれない)。
とにかく、今後のスケジュールはまったく見通せない状況にあるのだ。2次予選が実施されたとしても、海外組は招集できずに国内組だけで戦うことになるかもしれない。様々なケースを想定しておかなければいけないのだ。
2020年の10月と11月にアフリカ勢やメキシコといった強い相手との試合が組めたのは代表強化のためには大きなプラスになった。しかし、ヨーロッパで新型コロナウイルスの感染が再び拡大している情況を考えると、たとえば来年の3月にもう一度同じような強化試合が組めるとは言い切れない。
今後、事態がどう進展するのかまったく読めない状況の中、どんなスケジュールになったとしても対処出来るように「今の時点でとりあえずチームの完成度を上げておこう」。これこそが森保監督の本当の意図なのではないだろうか。
森保監督の(あるいはJFA技術委員会の)そうした決断が正しかったのかどうかは誰にも分からないが、いずれにしても11月の2試合も10月とほとんど同じ顔ぶれで戦うこととなったのだ。せっかく「ラージグループ」の形成を諦めてまで同じメンバーで合計4試合を戦うことを決意したのであれば、実際にチームの完成度を上げておくしかない。
日本がワールドカップでのベストエイト(準々決勝進出)を目標とするなら、まさにメキシコは同格のライバルということになる。“格下”のパナマ戦では様々なトライをして、それを踏まえた上で2020年の集大成となるメキシコ戦では総力を挙げて勝利を狙ってもらいたい。