■ふたつのプレーでクオリティを示した
そこで、今回のカメルーン戦である。
2020年初めての代表マッチということで、森保監督はベースとなるメンバーにできるだけ長くプレーさせ、「基本的なコンセプト」をピッチ内で確認してほしいと考えたはずだ。後半からいきなり3バックにしたことには驚かされたが、そのなかで伊東純也に続いて65分から登場したのは、中島翔哉と浅野拓磨、それに国内組が選考されていないことを考えても、久保の序列が上がっていることを示唆する。もちろん、クラブでのアピールから判断すれば、序列は上がっていなければいけない。
カメルーン戦のパフォーマンスは、ふたつのプレーに集約される。
ひとつ目は84分の突破だ。
2シャドーの右サイドに入っていた堂安と交代しながらも、久保は右サイドだけでなく左サイドでもプレーした。この場面も左サイドからで、対峙するコリンズ・ファイに足を出させないタイミングでクロスを供給している。ゴール前に詰めた大迫勇也には合わなかったものの、前を向いてパスを受ければ確実にクロスまで、あるいはシュートまで持っていけることを示した。
ふたつ目は後半アディショナルタイムの直接FKだ。
FKのポイントには久保と柴崎が立ったが、左足のほうが狙いやすい角度だった。同じような角度からのFKやシュートは、マジョルカに在籍した昨シーズンから可能性を感じさせていた。GKの頭上ではなく左右どちらかにもう少しズレていれば、ネットを揺らすことができていただろう。
いずれにしても、このふたつのプレーで、久保は自身のクオリティを証明したと言える。