日本代表11か月ぶりTM(1)FW不足…森保ジャパン「ワントップ+3」争う7人のタレントの画像
森保一サッカー日本代表監督  写真:松岡健三郎/アフロ

■テーマは「コンセプトの確認と意思統一」

 未曽有の空白期間を経て、日本代表がおよそ11か月ぶりに動き出した。森保一監督と23人の選手がオランダ・ユトレヒトに集合し、10月5日からトレーニングを積んでいる。9日にはカメルーン代表と、13日にはコートジボワール代表とのテストマッチも組まれている。

 今回は国内組の招集を断念した。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、海外からの帰国者は2週間の自主待機を政府に求められる。日本代表の活動期間中もJリーグは開催されており、国内でプレーする選手が今回の遠征に参加すると、およそ1か月にわたってリーグ戦に出場できなくなってしまう。クラブの利益を損なう恐れがあることから、森保一監督は招集を見送るとの判断を下した。

 とはいえ、チーム編成に大きな支障はない。国内組と海外組を制約なしに招集できた昨年11月のキルギス戦のメンバーは、23人のうちJリーグ所属選手が6人だった。チームのフレームは海外組で作られていたわけだ。しかも、当時は北海道コンサドーレ札幌の所属だった鈴木武蔵FC東京の一員だった室屋成は、今夏から海外組に加わっている。

 ヨーロッパ域内でも渡航制限や入国制限が敷かれている国があり、パルチザン・ベオグラード(セルビア)のFW浅野拓磨、FCロストフ(ロシア)のMF橋本拳人が選考の対象外になった。岡崎慎司長友佑都はメンバー発表後に不参加となったものの、再スタートにふさわしい顔ぶれが揃ったと言える。

 今回の活動のテーマについて、森保監督は「基本的なコンセプトの確認と意思統一」をあげている。昨年11月から止まっていた時計を動かす機会だけに、「攻撃にも守備にも積極的で、バランスの取れた戦い方をする」というコンセプトを呼び覚ますことが、何よりも優先されるだろう。

 カメルーンとコートジボワールとのテストマッチも、スカウティングに基づいて相手の良さを消すのではなく、「アグレッシブに戦って勝利を目ざす」という指揮官の哲学を反映したものでいい。そのなかで、コンセプトに含まれる「臨機応変さ」も発揮していく戦いが望まれる。

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