■J1のチームを上回る高強度
──強度を読み取る数字とは?
「走行距離の時速とスプリントの回数です。時速21キロ以上が強度が高いと言われる目安で、それが出せているか。数字の出方はポジションによって違いますが、1試合の走行距離の6パーセントを高強度が占めると、強度高くプレーできていると言えます」
──北九州の選手は、その高強度の水準に達していますか?
「試合によっては到達しています。スプリントの回数は、J1のチームを上回る試合も多いです」
──強度を高めるトレーニングとは、どのようなものなのでしょう?
「45分続けられる運動と、2分しか続けられない運動は、当たり前ですがまったく種類が違います。全力だと2分しか続かない、90秒しか続かないような強度の高いトレーニングをやって、休んで、またやって、というのを繰り返すと、試合でそういう強度を出しやすくなります。スプリントして、落として、またスプリントして、ということができるようになっていきます」
──なるほど。
「11人制のサッカーから離れていた時期にいろいろと見聞きして、とにかく強度の高いトレーニングをやり込みたいと思っていました。今は、強度は4段階に分けて、ほとんどは中ぐらいのレベルで練習が進んでいきます。もっとも高い強度は、やり過ぎてもやらなさ過ぎてもダメですね。ポジション特定のある練習では選手によって走る距離は違ってくるので、ある選手はやり過ぎない、ある選手はもう少しやり込む、といった調整をしています」
──ボールを使ったトレーニングのなかに、フィジカル的な要素が含まれている、ということになりますか?
「それが一番いいことですよね。戦術、技術がいろいろとミックスされているのが一番で、ひと昔前にやっていたような走り込みはシーズンの最初は必要なのでやりますが、いまはボールを使いながらやることがほとんどですね。
フィジカルに特化したトレーニングをやるとしても試合前日に少しだけですが、それによってコンディションが把握できます。“この選手は仕上がっているな”といったことが分かりやすい。フットサル日本代表のフィジカルコーチをやっていた当時にスペインなどに行かせていただいて、そこで得たトレーニングを応用して取り入れたりもしています」