第100回天皇杯が開幕!(1)今年の「ジャイキリ」は……?の画像
第99回天皇杯を制したヴィッセル神戸(2020年1月1日) 写真:長田洋平/アフロスポーツ

日本サッカー協会が設立されて、来年で百周年となる。現在開催されている大会が記念すべき第100回となる天皇杯は、Jクラブ以外の参加チームが上位で活躍する可能性が大いに高くなっている。Honda FCを筆頭とするJFL勢や大学の強豪たちにはビッグチャンスの到来だ。では100年前、天皇杯はどのように始まったのか。日本サッカーに何が起こったのか。その歴史をひもとき、今年の見どころと優勝の行方をうらなう。

■カップ戦の醍醐味は「ジャイキリ」にあり

 9月16日に2020年度の天皇杯JFA全日本選手権大会が開幕。23日には2回戦も行われてベスト32が出そろう。

「2021年元日に東京の新国立競技場で行われる決勝戦を目指して、熱い熱い戦いが始まった……」と言いたいところだが、いったいどれだけの人が9月16日の試合の結果を知っているだろうか?

 カップ戦の序盤などというのは、どこの国でも興味を持つ人は少ない。とくに今年はJリーグ勢が登場しないので、注目度はますます小さくなってしまうだろう。

 カップ戦の序盤の楽しみといえば「ジャイアントキリング」である。

 昨年の天皇杯でも、JFL(日本フットボールリーグ)に絶対王者として君臨し続けるHonda FCや関東大学リーグの雄、法政大学がJリーグ勢を連破して大会を盛り上げた。それも、「必死に守ってカウンター一発で勝つ」といった戦い方ではなく、きちんとボールを動かして主導権を握る戦い方でトップリーグのチームを破ったのだから、その価値は一段と大きなものだった。

 実際、JFLや関東大学リーグの上位チームはJ2リーグに近い実力を持っている。少なくともJ3リーグよりは上にあると考えていい。そのことは、たとえば川崎フロンターレ三笘薫旗手怜央のように、大学リーグからJ1クラブに入団した新人選手たちが数多く活躍していることを見ても明らかだろう(今年の大卒新人はとくに“当たり年”だったが)。

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