そろそろ日本代表のことを。新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、あらゆる年代の、男女の代表チームの強化がすべて滞っている。まずは10月、U19日本代表がAFC大会(ウズベキスタン)に出場予定だ。ここでベスト4に残らなければ、来年のU20ワールドカップには出場できない。フル代表によるワールドカップのアジア二次予選は10月と11月に2試合ずつ行われる予定だ。すでに突破に王手をかけている日本代表は、ここで1勝すれば、来年3月から始まる最終予選への進出が決まるが、海外組などベストな選手を招集できるのかは、予断を許さない。ワールドカップ最終予選は来年3月スタート。いきなり最強クラスを相手にすることも考えられる。
■U19日本代表の強化に遅れが
8月1日から5日にかけて行われる予定だったU19日本代表候補のトレーニングキャンプが急遽中止となってしまった。集合時に行われた検査の結果、参加選手の1人が新型コロナウイルスに感染していることが判明したためだ。迅速な判定のおかげで濃厚接触者を出さずにすんだのは不幸中の幸いだったが、チーム強化のための貴重な機会が失われてしまったのはまことに残念だった。
じつは、この合宿が行われる数日前にU19日本代表の影山雅永監督と立ち話をする機会があったのだが、影山監督は「準備がぜんぜんできなくなってしまって困っている。このままじゃ、選手を選んでいきなり試合をさせるようになっちゃいます」としきりにボヤいていた。トレーニングキャンプの中止によって、チーム作りはますます難しくなってしまったことだろう。
U19日本代表は10月中旬からウズベキスタンで開催されるAFC U19選手権大会に出場することになっている。普通なら、数度のキャンプを行い、また、SBSカップあるいはトゥーロン国際といった招待大会に参加して、準備を行ってから参加する大事な大会のはずだ。
今回の中止になったトレーニングキャンプはJ2クラブおよび大学チームに所属する選手を集めたもので、J1クラブ所属選手たちの合宿はすでに7月に行われていた。だが、J2所属の選手の中にも、これから代表の貴重な戦力として組み込まれていくはずの選手は何人もいたはずだ。
今年のU19代表は、昨年はU18代表として活動し、ベトナムで行われたAFC大会の予選を勝ち抜いたチームがベースになる(フィリップ・トルシエ監督率いるベトナムとは引き分けに終わってしまったが、無事に1位通過を果たした)。そして、一つ下の世代、つまり昨年はU17代表としてワールドカップを戦ってきた世代を融合する作業を行わなければならないのだ。
だが、合宿も試合も思うように実施できないとすれば、「融合」の作業は遅れてしまう。