8月5日に、ルヴァンカップが再開された。J2から昇格して久々の参加となる横浜FCでは、53歳の三浦知良が大会最年長出場記録を更新。新たな話題を提供した。
今季はリーグ戦より1週間早く開幕し、グループステージの各初戦を終えていたが、新型コロナウイルスの影響によりレギュレーションの大きな変更を余儀なくされた。各グループは1回戦総当たりで決勝トーナメントの準々決勝進出を争うことになった。昨年のJ1を戦い、J2から唯一参戦していた松本山雅は、残りの試合を行わないなど、大幅な変更点があった。
この見直しは、迅速に行われた。そもそもこの大会は、Jリーグに先立って“開幕”した1992年から、かなり頻繁に、しかも大幅に方式を変えてきた歴史がある。今後もリーグを取り巻く状況に即して、「改善」されていく可能性は高いだろう。
現状でも、疑問に感じる点がある。前年にJ1から降格したJ2クラブの参戦はあるものの、基本的にはJ1クラブによる、ほぼ「J1カップ」となっている。本来ならば「リーグカップ」としてJ2、J3のクラブも含まれていいはずだ。
天皇杯のようなオープントーナメントのカップ戦に加えてリーグカップがある国はヨーロッパでも限られているが、イングランドでは最上位のプレミアリーグから、それに続くプロリーグであるイングリッシュ・フットボールリーグに属する4部リーグ相当のクラブまでが参加する。今季を最後に開催中止になってしまうが、フランスではやはり1部と2部のクラブでリーグカップが争われる。ポルトガルも同様だ。
日本でもかつて、J2全クラブが参加したシーズンがあった。1999年から2001年までは、1回戦でJ1とJ2のクラブが対戦する、ホーム&アウェイのトーナメント方式(決勝は一発勝負)で行われていた。
天皇杯でしばしば起こるように、カップ戦の魅力の一つがジャイアントキリングだ。1999年には当時まだJ2を戦っていたFC東京が、準々決勝で横浜F・マリノスを下すなどベスト4へ進出する活躍を見せた。2001年には、JFLから昇格してきたばかりの横浜FCが、名門の東京ヴェルディを破る番狂わせを起こしている。イングランドでは今季も、トッテナムなどを下した4部のコルチェスター・タウンがベスト8まで勝ち残り、人々に喜びを提供している。