■会長職はマックス8年が理想
――会長選についてもお伺いします。ご自身は昨年末に出した冊子で「会長を選挙で決めることは日本の風土に馴染まない」と書かれていましたね。
間違いありません。
――その問題点や代替プランはありますか。
やはり日本に合った形で、FIFAも納得する、もしくはそれができるような形にするべきだと思います。実際イングランドもドイツもそういう方式を取っているんですよ。
――それは信任するような方式ですか。
そうですね、最後は投票するんですけど、イングランドは投票すらしません。指名された方がなるというスタイルですし、そういう国があるということも認識しなければなりません。それから投票で決めている団体は、日本サッカー協会の傘下には1つもありません。内閣府が定めるなかにもありません。
そういうなかで投票をすれば、対立構造になってしまうのはご存じの通りです。選挙をすればしたで、立候補したグループは分かれていく。本来、我々が戦うべきは、私は国内ではないと思っています。その代わり、熟議して熟議して、よく話し合った上で「この人がふさわしい」と選ぶべきではないでしょうか。
そして、どうしてもそれがダメだったら2人立候補して選挙ということもあるかもしれませんけど、最後は皆さんに承認してもらわなければなりません。話し合いで決めた方が対立軸も生まれないと思います。それは私が3回、会長選を経験した上で言わせていただいています。選挙がプラスになるのならいいですけど、日本に合ったやり方を考えなければいけないと思います。
――現在、会長職は1期2年となっています。田嶋会長は1期何年が妥当だと思われますか。
仮に選挙をしないで熟議して決めるのであれば2年間でもいいと思います。でも、今回の私のように選挙をして、間に内閣府の法律上、承認という手順を経たなら4年間が妥当だと思います。そして1人の人間が会長を務めるのはマックス8年。それ以上はやってはいけないと私は思っています。それ以上は新しい方が、違うやり方でやるべきだと思います。それは私個人の考えでもあります。
――本日は長時間にわたり貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。