第1次サッカーファミリーの支援策は6月で終了し、7月からは第2次の支援策が始まる。そこで今回は、来夏に延期された東京五輪のこと、日本が辞退したことでオーストラリア/ニュージーランドの共催に決まった2023年女子W杯招致の裏側、日本サッカーの拠点になる「JFA夢フィールド」の完成とその意義、そしてコロナがもたらしたサッカー界の変革などについて忌憚のない意見を聞いた。
(取材・文 六川亨)
■会長として今後の目標
――女子W杯に話を戻しますが、日本が辞退したことを歓迎する声はあったのでしょうか。
それは大きな歓迎ですし、選挙の前にAFC(アジアサッカー連盟)のシェイク・サルマン会長は「アジアはこれでやっと団結できる。日本の決断に感謝する」とホームページでステイトメント(声明)を発表しました。
――最後に、今年3月で会長に選出され3期を迎えています。もしかしたら今後2年間が最後の会長職になるかもしれません。
2年後に評議員会の信任を受ければ4年ということになっています。
ーーその2年間ないし4年間で、会長として次にやりたいこと、ウィズコロナを含めて次のテーマは何になるのでしょう。
まず、(会長に)なったとたんにコロナが出てきて、自分もなってしまったわけですけれども、まずこれを解決すること。それはJリーグ、なでしこリーグ、子供たちを含めてやらなければいけないこと。これはもう第1ですね。目の前の火事を消さなければいけないこと、これをやっていかなければいけないと思っています。
それで次は1年延びた五輪、そしてカタールのW杯アジア予選。五輪は男女とも、カタールは男子ですけれども、それをしっかりとサポートしていかなければいけないと思っています。その前提になるのが女子で言えばWEリーグ、女子のプロリーグです。これを成功させることと、WEリーグの基盤となる女子のグラスルーツを創出すること。このことをやっていかなければいけないと思います。
――WEリーグですが、もともと財政的に成り立つのか不安を抱いていました。そこに今回のコロナ禍で、より厳しい状況が待ち受けているのではないでしょうか。
仰る通り、例えばラグビーもそれで止めたりしているわけですけど、我々サッカー協会はWEリーグへの投資は約5年間で10億円くらい使うわけです。それについて変更するつもりはまったくありません。プラス、これを成功するにはアフターコロナだからこそ、いま変革が求められていると思うんですよ、働き方改革であったり、女性の地位だったりなどです。
働き方で、こうやってWEbでやるなんて私は思いもしませんでした。それがいまは当たり前になってきました。だから女子の社会進出だったり、そういうものも、このWEリーグで変えていくチャンスだと私は逆に思っています。だからこそ、今回はやろうと。皆が「えっ」と思うかもしれないけど、こういう時だからこそやるべきだと思って我々はスタートさせました。