J1レビュー7/12 「湘南ー札幌」“ハーフ4枚一気替え”奇策の結果は?の画像
湘南と札幌が対戦

[J1リーグ第4節]湘南0-0札幌|7月12日(日)19:03|Shonan BMWスタジアム平塚

 

 湘南ベルマーレは前節、2得点したものの昨季王者の横浜F・マリノスに敗れた。3連戦のラストとなる一戦では、これまでのように少しずつ先発を入れ替えながら、ゴールと今季初勝利を目指した。対する北海道コンサドーレ札幌は先発を変えずに連勝中だったが、この試合では最終ラインに大卒ルーキー田中を起用するなど、2人を入れ替えた。

 開始早々から互いにシュートへ持ち込む場面を見せたものの、互いに3バックを敷く両チームは守備の際にはディフェンスラインに5人が並び、簡単にスペースを与えない。そうした状況で、両チームともロングボールを使う場面が増えた。中川と湘南の2トップを形成した石原直は、DFがボールを持った際にも相手DFの裏への走り出しを精力的に繰り返し、揺さぶりを狙う。37分には、右サイドのスペースへ流れた茨田からの折り返しをボックス手前で受けた。やや難しい体勢となったが、うまいタイミングでのシュートに持ち込み、ポストを叩く惜しい一撃を放っていた。

 札幌も、1トップに入るジェイの強さを生かそうと、縦のボールを打ち込んだ。札幌の3バックに入る福森は、DFとは思えないほどの左足の精度を誇る。自らの持ち上がり、あるいは自陣からのロングパスなどで、攻撃のスイッチを入れていた。CKでもキッカーを務め、湘南GKの正面を突いたものの、チームメイトの惜しいヘディングを引き出していた。

 千葉で合宿を張り続けるというJ1全チーム中でも特殊な環境にある札幌は、ハーフタイムに4人を交代させるという驚きの手を打った。その中には、これがJ1デビューとなるドゥグラス・オリベイラもいた。このブラジル人アタッカーは、後半開始9分後に早速シュートを放つ。ロングパスを受けたジェイの近くへ走り込み、落としを受けると左ポストを強烈に叩く一撃を披露した。

 湘南もノルウェー代表FWタリクを投入するなど、ゴールを狙う姿勢を強めていく。開幕戦でも魅惑的な連係を見せた石原直とタリクの三十路2トップとなり、69分にはこの2人の連動でカウンターを発動。さらなる交代カードも切られ、相手ゴール前でシュートを放つ場面もあったが、あと一押しが足りなかった。

 札幌は最終ラインにキム・ミンテを入れつつ、一度は3バックの一角に入れた駒井をシャドーの位置に戻し、後ろの安定を図りつつゴールもあきらめない。だが、前節に負傷交代した現J1得点ランク首位タイである鈴木離脱の穴は大きかったか、アウェーでの勝ち点1を持ち帰るにとどまった。