■日本がGL敗退とベスト16をくり返すわけ
さて、こうしたチャンピオンのジンクスは、世界制覇の経験がない日本にもフィードバックすることができる。
日本は過去、グループリーグ敗退とベスト16進出を繰り返してきた。
1998年GL敗退
2002年ベスト16
2006年GL敗退
2010年ベスト16
2014年GL敗退
2018年ベスト16
この規則性は決して偶然ではない。
成功すると自然と空気が淀み、反対に失敗すると、自然と空気が刷新されるからだ。
成功が失敗を招いた例として印象深いのは、10年南アフリカ大会から14年ブラジル大会への流れ。
南アフリカ大会の日本は、下馬評を覆してグループリーグ突破を決める。そして当時まだ若かった、本田圭佑、岡崎慎司、長友佑都などが4年後に中軸を担う。だが“史上最強”の呼び声も高いチームは、ブラジルでいいところなく敗れた。
反対に失敗が成功を生んだ例には、94年の予選敗退から98年の初出場の流れが挙げられる。
あのドーハの悲劇の痛みが、ジョホールバルの歓喜を生むエネルギーになったことは間違いない。
このときも振り返れば、中田英寿、城彰二、川口能活といったアトランタ五輪組の台頭があった。
失敗が成功を呼び、成功が失敗を招く。
これはドイツにも日本にも、そして人生にも通じるサッカーの真理。王者フランスと日本は、カタール大会でどんな足跡を残すのだろう。