■足がつった橋岡は代えてもらえなかった

大住 埼玉の試合は、けっこう浦和が最初から積極的で。相手がマリノスだからボールを取れないかと思ったらものすごく果敢に取りに行った。だいたい20分くらいまで、飲水タイムまでけっこう圧倒的だったね。飲水タイムが終わるとね、前半も後半もそうだったけど、今度はマリノスなんですよ。

半田 飲水が流れを変えるきっかけに?

大住 いや。きっかけなのか、浦和のプレーがそれ以上もたないのか。どちらかというと、そっちのような感じがしてたけど。だって橋岡(大樹)とか、ディフェンスの選手が何人も足がつってたよね、終わった時に。橋岡は試合中にもつっていたけど。宇賀神(友弥)が出てきたんだよ交代で。それで、橋岡と交代かなと思っていたら山中(亮輔)と代えてた。橋岡は代えてもらえなかった。

半田 その采配のこころは?

大住 監督がユースの時から橋岡を知っていて、この選手はつっても走れるって分かってるから。だから代えなかった。

後藤 マリノスは足がつってなかった?

大住 マリノスは誰もつってなかったね。マリノスのほうが能動的に動くプレーが多かった。浦和はもう、走らされるプレーが多かったからじゃないかな。でも逆に、つるまでやったって大槻監督は褒めていたけどね。

半田 平塚は点が入ったから。点が入るごとにだんだん激しく……。

後藤 入るごとにって、1点だよ。

半田 あ、そっか。それも開始3分のジャーメイン(良)のゴール。

後藤 1点も、クロスのミスだよ、あれ。クロスとしてはミスだよ、ゴールに入っちゃったんだから。でも、その1点を先に取ったことを、うまく仙台が利用しながら。本当に湘南は一生懸命攻めるんだけど、仙台は最後まで崩れなかった。そういう試合。点は偶然だから、仙台が勝ち点3を取ったのは、すごくラッキーだったけど、でも内容的には一段二段、上だったね。

大住 仙台は監督が代わったでしょ?

後藤 そう、木山(隆之)監督だもん。木山さんはよくチームまとめるよね、もうひとつ突き抜けないけど。すごく良くまとまってた。

半田 終盤よく守り切りましたよね。

後藤 攻められているんだけど、完全に崩れてバタバタすることがなかった。全体の選手の距離感もすごく良いし。そこで、試合前のアップの時、トルシエ(元日本代表監督)がフラットスリーの練習をよくやっていたけど、あれをやってんだよ。フラットフォーを。

 コーチがボールを上げ下げしながら、4人で行ったり来たり、盛んにやって。ほお、こんなこと今やってんだって思った。それがちゃんと表れてる。どういう攻めかたされても、きちっと選手の距離感を保っている。攻守ともに。だから、すごくよくまとまってた。それが90分、崩れなかった。

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