生涯観戦数は6400試合を超え、世界中のあらゆる場所でサッカーを観戦してきた後藤健生さんの連載「蹴球放浪記」。第6回はウルグアイからアルゼンチン、そしてエクアドルへ。観戦三昧、美酒堪能のサッカー旅は、南米を舞台に、今日も続くのであった。
1995年の6月から8月にかけて僕は南米大陸を旅していました。まず、ウルグアイでコパ・アメリカを観戦。エンソ・フランチェスコリの活躍によって開催国ウルグアイが優勝。ウルグアイという国はコパ・アメリカでは本当に強いですよね。それから、対岸のブエノスアイレスに渡って、リーベルやボカの試合を見てたんですが、ここで酷い風邪にかかって数日間ホテルで寝込んでいました。冬場のアルゼンチンは、いつも寒くて湿気が多く、ちょっとつらいところがあります。
その後、僕はエクアドルに移動しました。目的は日本も出場するU-17世界選手権(現・U-17ワールドカップ)です。
今では年代別の世界大会に日本が出場するのはあたり前で、予選で負けたりすると大ブーイングを浴びますが、日本チームがアジア予選を突破して世界大会に出場するのはメキシコ・オリンピック以来実に17年ぶりのことでした。日本は1979年のワールドユース(U-20)、1993年のU-17世界選手権にも出場しましたが、どちらも日本開催の大会で、開催国枠での出場でした。
エクアドルの大会には小野伸二、高原直泰、稲本潤一などがいましたが、1勝1分1敗となり、エクアドルと勝点・得失点差で並んだんですが、総得点差でグループ3位となり、惜しくも準々決勝進出を逃しました。なにしろ国外での世界大会は初めてなので、試合前の握手やペナント交換などのセレモニーにも慣れていなかったので選手たちはかなり戸惑っていました。大会はガーナがブラジルを破って優勝。3位になったアルゼンチンでは、パブロ・アイマールやフサフサの金髪をなびかせたエステバン・カンビアッソがプレーしていました。