「サッカー熱狂国」スペインはいま、何を報じているのか 第2回「アザール“今季絶望”を白紙に戻すもの」の画像
エデン・アザール 写真:ロイター/アフロ

 コロナ禍によりリーグ戦の中断を余儀なくされている中、レアル・マドリードではベルギー代表MFエデン・アザールが本来の姿に戻れるかどうか注視していると、スペイン最大紙である『マルカ』が4月30日に報じている。

 アザールは去る2月22日のリーガ第25節レバンテ戦で、かかとを負傷。翌月5日に手術を受け、現在は復活を目指しているところ。当初は復帰まで2〜3ヶ月を要するとみられていたことから、サンティアゴ・ベルナベウでの最初のシーズンを既に終えてしまったと考えられていた。

 ところが、その後のコロナウイルスの全国的な拡大で状況が一変。リーグ戦が中断し、スケジュールが後ろ倒しになっていることから、アザールにとっては終わったはずの2019/20シーズンをプレー出来る可能性まで出てきたのである。

 レアル寄りメディアとして知られる『アス』紙も同日、声を揃えるように、

「アザールは数日前から軽いジョギングを始め、ボールに触ることも出来るようになっている」と伝えている。自身のサポートを担当していた理学療法士がコロナウイルスに感染してしまってからは、いわゆる“テレワーク”形式でアドバイスを受けながらリハビリを行なっているそうだ。リハビリ中の細かな動向にも注目し、背番号7の復活に大きな期待を寄せている。

 昨年6月、約156億円という高額な移籍金で、大きな期待を受けながらチェルシーからレアルへの移籍を果たしたものの、怪我に泣かされ本来の姿を見せられていないアザール。今年3月26日には地元ベルギーのメディア『RTBF』に対し、

「ここ(レアル)での最初のシーズンはひどいものだったが、全部が全部悪いわけじゃない。適応期でもあるし、次のシーズンで評価されるだろうね。良くなるかは僕次第さ」と、苦しみながらも前向きに語っていた。

 コロナ禍という苦境の中にもチャンスを見出し、不可能と思われた“今シーズン中の復帰”というサプライズを起こすべく、確かに歩みを進めている。