■先の見えないJリーグの再開
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染は拡大を続けている。その影響で日本代表のスケジュールなども大きな影響を受け、3月の最終週に予定されていたワールドカップ予選のミャンマー戦、モンゴル戦に続いて、6月の代表ウィークに予定されていた2試合も延期が決定した。そして、東京オリンピックは1年の延期がきまり、大会でのメダル獲得を目指していたU-23日本代表の準備試合もすべてキャンセルとなった。
国内に目を転じても、Jリーグは第2節に中断したままで、JFLやなでしこリーグなどもすべて開幕が延期となっている。
Jリーグは4月1日に開かれた実行委員会で先に決定していた「4月25日にJ3リーグを再開し、以後、順次J2リーグ、J1リーグを再開する」という目標を再確認したものの、最近の感染拡大の状況を考えると4月下旬の再開がさらに先延ばしになる可能性も高い。実際、プロ野球はすでに4月24日のペナントレース開幕を断念し、5月後半までの再延期を決めている。
そこで、今回は新型コロナウイルス問題に対するJリーグのこれまでの対応について振り返ってみたい。
■画期的だったNPBとの連帯
Jリーグが「第2節以降の延期」を決めたのは2月25日の火曜日のことだった。2月22日に開幕したJ1リーグの第1節が終了した翌々日である。そして、同日にはプロ野球の読売巨人軍が、折から開催中だったオープン戦を無観客で行うことをいち早く発表し、他球団もこの決定に追随した。
一方、安倍晋三首相が「この1、2週間が瀬戸際」として「国内のスポーツ・文化イベントの2週間自粛を要請する」という考えを示したのはJリーグが中断を決めた翌日の2月26日のことであり、また安倍首相が唐突に全国の小中学校の一斉休校を要請して社会に衝撃を与えたのはさらにその1日後の2月27日のことだった。