ガンバ大阪
ガンバ大阪

ガンバ大阪 2020年チーム展望

<戦力評価> A
<今季の目標> ACL出場権獲得圏内
<補強分析> B
<戦術> C
<フロント力> C

 

 リーグ戦では、上々のスタートを切った。昨季J1王者のホームに乗り込み、勝ち点3を持ち帰ったのだ。開幕勝利を飾ったのは3シーズンぶりとなる。

 J1第1節の相手は、奇しくも昨季と同じ横浜F・マリノスだった。1年前は開始1分で先制しながら、前半のうちに3点を返されて2-3で屈した相手だ。

 昨季2敗を喫したその相手に対して、G大阪は変身ぶりを見せつけた。昨季は3バックをメインとしたが、この試合では4バックと併用という変則的なフォーメーションで、横浜FMを封じ込む。特に昨季MVPの仲川輝人への監視を厳しくし、高い位置からのプレスも敢行。そうして低い位置からもつなぎにこだわる横浜FMのミスを誘発して先制に成功した。さらに相手の高いディフェンスラインの裏へシンプルに放り込むなどプレーを使い分け、1-2と勝利した。

 3シーズン目に入った宮本恒靖監督は多くを語らなかったが、ピッチ上の選手の意見も取り入れながら柔軟に対応したことが、吉と出たようだ。J1最多出場記録に並んだ大ベテランの遠藤保仁のみならず、昨シーズン途中にヨーロッパから戻ってきた宇佐美貴史や井手口陽介など、もとよりタレントはそろっている。どんな戦術でも遂行できるだけのベースはあるのだ。

 このオフには、うれしいサプライズもあった。日本代表DF昌子源の獲得である。

 鹿島アントラーズから2018年末にフランスのトゥールーズへ移籍したが、昨年は負傷に泣かされ、出場機会に恵まれなかった。負傷からなかなか復帰できない状況で、日本復帰を考えるようになったという。

 本来ならば古巣の鹿島が最優先の移籍先であっただろうが、昌子が帰国を決断する頃には、チーム編成は終わっていた。そこで浮上したのが、ジュニアユース時代を過ごしたクラブだった。G大阪にしてみれば、僥倖と言っていい話だった。

 昨季はリーグ2位タイの多さとなる11もの引き分けを記録したが、得点数は54ゴールとシーズンを3位でフィニッシュした鹿島と並ぶ、18チーム中4位タイの数字を残している。昌子の加入が守備力を引き上げることは間違いなく、失点を減らすことによる勝ち点の積み上げが期待できる。

  1. 1
  2. 2