ヴィッセル神戸 2020年チーム展望
<戦力評価> B
<今季の目標> 優勝争い
<補強分析> D
<戦術> B
<フロント力> C
2020年は、最高の形で始まった。クラブ初タイトルとなる元日の天皇杯優勝の勢いに乗り、リーグ戦でも上昇することはできるだろうか。
他を圧倒する補強は、2017年のドイツ代表ルーカス・ポドルスキ獲得から始まった。その後は「バルセロナ化」を目指すと公言して、実際にアンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャ、セルジ・サンペールという“本家”でプレーしてきた選手を獲得。選手としてだけではなく監督としてもバルサに栄光をもたらしたペップ・グアルディオラが師と仰ぐと言われる、フアン・マルエル・リージョ監督も迎えた。そのスペイン人監督が半年ほどでクラブを去るなど2度の監督交代という波乱があった2019年シーズンも、天皇杯優勝で幕を閉じた。
リーグ戦でも、就任直後には3連敗もあったトルステン・フィンク監督だが、チームは徐々に調子を上げた。同じくシーズン途中に加わった酒井高徳やトーマス・フェルマーレンらもフィット。セレッソ大阪、鹿島アントラーズという上位を争うチームも倒しての3連勝で締め、8位でフィニッシュしていた。続く天皇杯優勝は、着実なチーム力のアップを示したものだった。
そうした昨季からの流れを、果たしてどう加速させるのか。このオフの動きは、ここ数シーズンと比べて随分とおとなしいものだった。ポドルスキが契約満了に伴い退団し、ビジャは現役引退と、大物選手が去っている。
他クラブからの獲得は、ドウグラス(←清水エスパルス)のみ。シーズン通じての活躍ではなかったとはいえ、ビジャ(13得点)、ウェリントン(6得点)、ポドルスキ(5得点)と、チーム総得点の61ゴールのうち39%にあたる24得点を挙げた外国人選手たちが抜けたのは痛手だ。ドウグラスはJ1で3シーズン連続2ケタ得点し、昨季は得点王に1ゴール差に迫る14得点と計算が立ちそうではあるが、単純な差し引きで計算すれば得点力はマイナスである。