鹿島アントラーズ 2020年チーム展望
<戦力評価> B
<今季の目標> ACL出場権獲得圏内
<補強分析> A
<戦術> D
<フロント力> A
Jリーグ屈指の名門にとって、予想外の船出となったに違いない。J1開幕戦ではサンフレッチェ広島に0-3で屈し、たかが1試合を終えただけとはいえ、クラブ史上初の最下位でのリーグ戦スタートとなった。
内容的に苦しくとも決してあきらめず、一瞬の隙を突いて勝つ。本来は鹿島の持ち味であるそうした試合運びを相手に許して、広島との開幕戦を落とした。しかも、喫した3失点のうち2つは、自陣で不用意にボールを奪われたことが原因となった。鹿島らしくないゲームだったと言っていい。
確かに、今季の鹿島はこれまでとは違う雰囲気をたたえている。ザーゴ新監督の下、ボール保持率を高めてゴールににじり寄る。守備の場面ではリスクを負っても果敢にプレッシャーをかけて、ボールを奪いにいく。そうした姿勢は、広島戦でも見えていた。
もう一つ、そして決定的に違うのが、「結果」が伴わなっていない点だ。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のプレーオフ、名古屋グランパスとのルヴァンカップ第1節、そしてリーグ開幕戦と、今季に入ってから公式戦を3試合連続で落としている。つまり今季未勝利であるだけではなく、その3試合でいまだゴールも生まれていないことは、かなりの衝撃だ。
確かに今年元日の天皇杯決勝を終えてからACLプレーオフに向けて準備期間が短く、十分な休養を取れたとは言えないかもしれない。とはいえ、ここまで結果が伴わないのは、この名門クラブにとって極めて異例なことだ。