世界中のスタジアムを渡り歩いてきた歴戦の蹴球放浪家・後藤健生。2022年秋、フットサル最強国・ブラジルに挑む日本代表を追って彼が降り立ったのは、未踏の地・島根県だった。しかし、県庁所在地であるはずの松江駅前で旅人を待っていたのは、小泉八雲ゆかりの歴史都市という予想を鮮やかに裏切る「予想外の風景」。神々の国の玄関口で、いったい何が起きているのか? 街歩きとフットサル観戦の幸福な交差点、波乱含みの島根紀行・前編。
■ 世界最強ブラジルに「互角に戦って勝つ」。木暮ジャパンの野心を追って
島根県の松江市を訪れたのは2022年9月のことでした。
フットサルの国際試合、日本対ブラジル戦が松江であったのです。
なにしろ、ブラジルといえばフットサルの世界最強国の一つです。しかし、当時フットサル日本代表の監督を務めていた木暮賢一郎氏は「ブラジルやアルゼンチン相手でも互角に戦って勝つことを目指す」と強気に語っていたのです。本当にそんなことが可能なのでしょうか……。それで、僕は木暮監督の日本代表がブラジルに挑む試合を見てみたいと思ったのです。
それと同時に、僕は松江という街に(いや、島根県という県に)まだ一度も行ったことがなかったので「これは良い機会だ」と思ったのでした。
ブラジル戦は9月15日の木曜日でしたが、前日の14日には豊田スタジアムで名古屋グランパスと川崎フロンターレの試合を観戦。そのまま夜行バスで神戸に向かい、神戸から松江行きのバスに乗り継いで15日の昼に松江に到着しました。
そして、その夜、松江総合体育館でブラジル戦を観戦し(1-5の完敗)、翌日は松江市内や宍道湖、出雲大社を観光して夜の飛行機で東京に戻ったのでした。























