■永遠に語り継がれるゴール
20分、ペナルティ-エリア内で倒れながらもプスカシュがつついたボールを受けたヒデクティが勝ち越し点を挙げると、4分後にはプスカシュが永遠に語り継がれるゴールを決める。
右タッチライン際でボールを受けたブダイの内側を、左ウイングのチボルが右コーナーに向けて斜め外側に向かって走り、ブダイのパスを受けて突破する。そしてニア側のゴールエリア角に走り込んできたプスカシュにパス。ワンストップするプスカシュ。その右足シュートを阻止しようと、プスカシュの左から懸命に戻ったライトが滑り込む。
しかしプスカシュは天才だった。ライトの動きを察すると冷静に左足裏でボールを引き、体の左に置いたボールを得意の左足で思い切り蹴ったのである。ボールはイングランドGKメリックと右ポストの間の数十センチの隙間を通してゴールネットに突き刺さった。
息を飲むようなプレーのアイディア、完璧なテクニックとシュート。現在、国際サッカー連盟(FIFA)はカテゴリーを問わずその年の最も優れたゴールに「プスカシュ賞」を贈っているが、それはこのゴールを記念したものだ。
腹を突き出し、両手を挙げて歓喜を示すプスカシュは、たちまちチームメイトの祝福の輪に包まれる。当時の選手は、得点後の馬鹿げたパフォーマンスなどはしない。ただ歓喜を表現するだけだった。















