■ハンガリーの新発明

 イングランド代表の布陣は、「伝統」のWMシステム、この当時の世界の標準である。FW5人が「W」の形に、そしてハーフバックとフルバックで「M」の形を構成する。現代的な言い方をすれば、「3-2-2-3」となる。このシステムの「センターハーフ」は、今日的に言えば「3バックの中央」ということになる。○数字は背番号である。

 ゴールキーパー=①ギル・メリック(バーミンガムシティ)
 右バック=②アルフ・ラムゼイ(トットナム)
 左バック=③ビル・エッカズリー(ブラックバーン)
 右ハーフ=④ビリー・ライト(ウルブズ)
 センターハーフ=⑤ハリー・ジョンストン(ブラックプール)
 左ハーフ=⑥ジミー・ディッキンソン(ポーツマス)
 右ウイング=⑦スタンリー・マシューズ(ブラックプール)
 右インサイドフォワード=⑧アーニー・テイラー(ブラックプール)
 センターフォワード=⑨スタン・モーテンセン(ブラックプール)
 左インサイドフォワード=⑩ジャッキー・シーウェル(シェフィールド・ウェンズデー)
 左ウイング=⑪ジョージ・ロブ(トットナム)

 一方のハンガリーは、監督グスタブ・セベシュが考案した「MMシステム」とも言うべき布陣だった。センターフォワードを中盤に引かせて自由を与え、代わりに両インサイドフォワードを最前線に押した形で、今日的な表現をすれば「3-2-3-2」という形になる。WMシステムではポジションは固定されていたが、セベシュは頻繁なポジションチェンジを求め、選手たちは流れるように動いた。

(3)へ続く
PHOTO GALLERY ■【画像】ハンガリー代表の新発明、イングランド代表を沈めた新システム
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