■異色の南米国

 さて、エクアドルは南米大陸西部に位置し、現在の人口が1800万人ほどの小国です。人口が2億人を超えるブラジルや4500万人のアルゼンチンのような地域大国とは違った、かなり長閑な感じの国でした。

 深夜になると放送終了に合わせてテレビから国歌が流れます。エクアドルだけではなく、多くの国でも同じ、日本のNHKでも君が代が流れます。エクアドルでも、国内各地の名所や軍のパレードの映像が映し出されて、国歌が流れます。

 その国歌もどことなくかわいい感じのメロディーでした。

 南米の国歌というのはスペインからの独立戦争や革命を歌ったものが多く、かなり勇ましい歌詞が多いものです。アルゼンチン国歌のラストのコーラスは「さもなくば、栄光のうちに死することを誓う」ですし、ウルグアイ国歌も「祖国か、墓場か」で始まります。

 ちなみに、アルゼンチンの国歌はかつては9番まであって、全部演奏すると30分弱かかったのですが、その歌詞の多くは宗主国だったスペイン帝国が南米大陸各地でどれほど酷い弾圧を行ってきたか、それに対してどのように抵抗したかを歌ったものでした(その後、あまりに反スペイン的に過ぎたので、1番と9番を足した現在の短いバージョンになりました)。

 それに対して、エクアドル国歌はメロディーがかわいらしいだけでなく、歌詞も祖国を称えるだけで、それほど好戦的な内容ではありません。

 国全体が小ぢんまりして、かわいらしい……。それが、僕の初エクアドルから受けた印象でした。

(2)へ続く
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