■東欧にフットボールを根付かせた“コスモポリタン”たち

 そして、特に東ヨーロッパでは19世紀に栄えた工業都市に強豪クラブが存在します。

 当時、近代的な工業は新興産業でした。中央ヨーロッパや東ヨーロッパでも英国を模範として工業化が進み、工場経営者は近代化の最先端を行く人たちで、英国経験のある人も多かったのです。伝統よりも新しいものに価値を見出だし、海外事情にも通じたコスモポリタンでした。

 イングランドやスコットランドでは産業革命が起こり工業化が進むと、工場労働者の間でフットボールが盛んになりましたが、それを知った東ヨーロッパの経営者たちは英国の新しい文化の一つとしてフットボールを取り入れたのです。

 ウッチという街は、ポーランドの中でも南部のクラクフとかバルト海に面したグダニスクといった観光地ではないので、日本人にとって訪れる機会は少ないはずです。しかし、こういう街を何度も訪れることができるのも、サッカーを追っての放浪旅の面白いところと言えるでしょう(もう1回は、2012年のEUROの時。試合はなかったけれど、列車の乗り継ぎのためにウッチで1泊しました)。

PHOTO GALLERY ■【画像】ウッチ出身のピアニスト、ルービンシュタイン像とともにある街角ピアノ
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