■1大会1000億から6500億円へ。肥大化し続ける放映権ビジネス

 FIFAはITCとの契約を1998年大会まで継続したが、その総額は1大会100億円から130億円程度だった。この間、公式スポンサーは常に10社から12社をキープし、ワールドカップ事業の重要な稼ぎ頭となった。

 しかし1980年代半ばを過ぎると巨大スポーツ大会の放映権料は高騰する一方になり、オリンピックは1大会で500億円の規模になっていた。「ワールドカップはオリンピックをしのぐ人類の祭典」と自負するFIFAがこの状況に満足しているはずはなかった。その結果、2002年大会の放映権料(世界総額)は一挙に1000億円を突破することになる。

 そしてその後も大会ごとに放映権料は高騰し、今年の2026年大会、全世界の大会中継からFIFAが得る放映権収入総額は、6500億円にものぼると言われている。それを全世界のテレビ局が、すなわち視聴者が負担しているのだ。VAR、スパイダーカメラ、レフカム、ハイドレーションブレイクと、FIFAが際限なくテレビに譲歩し続けることには、そうした背景がある。

 テレビの要求を考えれば、「実質クォーター制」と言っていいハイドレーショブレイクは今後もFIFAの主要大会で続けられるだろう。さらに試合数を増やしてほしいというテレビの要求に応え、「64チームのワールドカップ」もそう遠くない時期に実現するだろう。

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