■FIFAが任命したソマリア人主審の入国を拒否した「最高責任者」

「バログン事件」では、アメリカのドナルド・トランプ大統領が大きくクローズアップされた。アメリカFWフォラリン・バログンは、ラウンド32のボスニア・ヘルツェゴビナ戦で退場処分になり、当然ラウンド16のベルギー戦に出場停止になるはずだった。それをトランプ大統領がインファンティーノ会長に電話を入れて「執行猶予」にしたのである。

 トランプ大統領は、今年はじめにワールドカップの出場国のひとつであるイランに武力攻撃をかけ、戦争状態に突入させた人物であり、厳しい移民政策により数多くの国のサッカーファンへのアメリカ入国ビザ発給を許さず、大会直前には大会主催者FIFAが任命したソマリア人の主審の入国を拒否した最高責任者である。

 ところが大会が始まると試合会場には一切姿を見せず、得意のSNSでもワールドカップの話題は出さず、極力目立たないようにしていたフシがあった。そのトランプ大統領が、一躍ワールドカップ・ニュースの「主役」に躍り出たのが、この「バログン事件」だった。

 どうでもいい話だが、「バログン」とはナイジェリアのヨルバ語で「将軍」を意味し、ファーストネーム「フォラリン」には、「豊かさや繁栄とともに歩む人生」の意味が込められているという。フランス・リーグの「ASモナコ」で南野拓実選手とコンビを組む彼は、今大会で3得点を挙げてアメリカのヒーローとなっていたのだが、この「事件」で一挙に世界的有名人となった。

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