サッカー界に激震が走った。「ワールドカップ売却」という前代未聞の計画は激しい反発によって直前で撤回されたものの、FIFAの暴走する商業主義と独裁体制が露呈した事実に変わりはない。さらに今大会では、アメリカのトランプ大統領による“ルール無用の介入”まで発生した。サッカーを壊し続ける権力者たちの横暴に警鐘を鳴らす!
■W杯売却計画の震源地。200協会の支持を集める「独裁政権」
ワールドカップをはじめとした主催大会の商業的権利を新設の子会社に移譲し、その株式を公開して巨利を得ようとした国際サッカー連盟(FIFA)、ジャンニ・インファンティーノ会長のたくらみは水泡に帰した。
いち早く反対を表明し、これが実施されるならワールドカップのボイコットも辞さないとした欧州サッカー連盟(UEFA)に、この案の「震源地」と推測されるアメリカを含む北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)、そして日本が加盟するアジアサッカー連盟(AFC)が追随し、「反対勢力」がFIFA加盟の211協会の過半数を大きく上回る136協会となったため、インファンティーノ会長は提案を取り下げた。
2015年の「FIFAゲート」で当時のジョゼフ・ブラッター会長をはじめとしたFIFAの幹部が根こそぎ退陣し、2016年の選挙でUEFA事務総長の立場からFIFA会長に就任したインファンティーノ。2019年、2023年の選挙でその座を守ったのに続き、来年1月に開催される次期会長選でも当選が確実視されていた。
FIFAの会長選挙は、加盟211協会がそれぞれ1票を投じ、過半数を得ることで決まる。ワールドカップ5回優勝のブラジルも、14億7600万人もの人口を持つインドも、そして加盟国中最少、4300人しか人口がいないモントセラト(CONCACAF)も、同じ重さを持つ「1票」なのである。
今年のワールドカップを前に、インファンティーノはすでに200を超す協会からの支持を得ていると公言していた。具体的な「対抗馬」もいないことから、「4期目」の当選は確実と言われていた。211協会のうち200協会! 驚くべき支持率である。
「スキャンダル」と言っていいほどのワールドカップチケットの高騰も、あの「バログン事件」も、その数字に影響が出たとは伝えられなかった。今回の「ワールドカップ売却」騒ぎが起こるまで、少なくとも来年から4年間、2031年までは「インファンティーノ政権」が続くと、世界中が見ていたのである。


























