メキシコから陸路でアメリカの国境を越えた“蹴球放浪家”の後藤健生。深夜バスの隣席に座っていたのは、日本代表を熱狂的に応援する「中国人サポーター」だった。かつての日本がそうであったように、自国のW杯出場がかなわずとも純粋にサッカーを愛する彼らの姿。そこから見えてきた、日中サッカーの複雑な逆転現象と“幸福度”をひも解く!
■「日本代表を応援に来た」隣席の中国人サポーター
というわけで、僕はあっさりとアメリカに入国しました。
国境はラレドという街でした。中央に四角い広場がある、典型的なラテンアメリカ風の街です。テキサスがメキシコ領だった時代につくられた町で、戦争でテキサスがアメリカ領になったときにリオグランデ川沿いのラレドの街が国境になりました。
アメリカ領に住むのを嫌った人たちは、リオグランデ川の対岸にヌエボ(新)ラレドという新しい街をつくりましたが、今ではヌエボラレドにはアメリカに密入国しようと思う人が大勢やって来ているそうです。
さて、僕の隣には若い東洋人が座っていました。持ち物を見るとワールドカップ観戦に来たファンのようです。
「中国人?」と聞いてみました。
彼と後ろの席に座っている少し年長の2人はなんと「日本チームの応援に来た」というのです。グループステージの3試合のチケットを買って、3試合を観戦するのだそうです。
「アジア予選の埼玉スタジアムの試合にも行ったよ」
「中国人でも日本代表を応援してくれている人が結構いる」とは聞いていましたが、実際に出会ってみると驚きです。わざわざ、高いお金を払って日本の試合を見に来てくれるのですからありがたいことです。



































