■ 勝利のための非情な決断か、選手へのリスペクトを欠いた仕打ちか

 ワールドカップのルールでは、各チームの初戦キックオフの「24時間前まで」であれば、ケガによる登録メンバーの変更が認められている。監督の目線から見れば、チームが勝つ確率を1%でも上げるために、コンディションの整わない選手を諦めて別の選手を呼ぶことは、当然の権利だ。指揮官として非情な決断を下さなければならない場面は必ずある。

 しかし、遠藤の側から見ればどうだっただろうか。キャプテンとして誰よりもチームを牽引し、「新しい景色(ベスト8以上)」を目指して血のにじむような努力をしてきた。たとえ初戦には間に合わなくても、「大会の途中で必ず復帰してチームを助ける」という強い意気込みでリハビリに耐えていたはずだ。

 その甲斐もなく突きつけられた、開幕3日前の戦力外通告。チームメイトに直接お別れの言葉を発する機会すらなくチームを離れ、直後に自身のX(旧Twitter)で「日本代表からの引退」を宣言してしまった彼の行動からは、やり場のない悔しさと苦しい胸の内が伝わってくる。

 大舞台の直前で、なぜ指揮官とキャプテンの間にこれほどのすれ違いが起きてしまったのか。コミュニケーション不足なのか、それともメディカルスタッフの判断ミスなのか。日本サッカーの未来のためにも、今一度、冷静な検証が必要なはずだ。

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