■シュート27本を完封。スペインの前に立ちはだかった「見えない壁」

 試合は戦前の予想通り、いや、それ以上にスペインがゲームを支配する展開となった。74%という圧倒的なボール支配率で相手陣内に攻め入り、波状攻撃を仕掛ける。記録されたシュートは実に27本。しかし、ピッチにはデータや世界ランクの差では測れない「目に見えない分厚い壁」が存在していた。

 前半終了間際、フェラン・トーレスの鋭いシュートがクロスバーを叩く。さらにペドリやアイメリク・ラポルテが幾度となくゴールを脅かすが、そのたびに最後の砦として立ちはだかったのが、大ベテランのヴォジーニャだった。まるで神がかったかのようなセーブの連続は、単なる反射神経のなせる業ではない。そこには、数え切れないほどの困難を乗り越え、この大舞台へと辿り着いた小国の「レジリエンス(回復力)」が宿っていた。

■ 奇跡は終わらない! 南米の雄・ウルグアイとも2-2の激闘デッドヒート

 そして、アトランタの夜に起きた奇跡は、フロック(偶然)などではなかった。現地時間6月22日に行われたグループH第2節、カーボベルデの前に立ちはだかったのは、またしても世界的な強豪であるウルグアイ代表(最新FIFAランク11位)だった。

 試合は前半21分、カーボベルデのケビン・ピナが約30ヤードの距離から強烈無比なフリーキックをゴールネットへ突き刺し、まさかの先制に成功。前半終了間際にウルグアイのマクシミリアーノ・アラウホ(44分)、アグスティン・カノッビオ(45+6分)に立て続けにゴールを許して2-1と逆転される苦しい展開を迎えたが、青いサメたち(カーボベルデ代表の愛称)の心は折れなかった。

 後半61分、相手のミスを逃さずに突いた途中出場のエリオ・ヴァレーラが見事な同点弾を奪取。そのまま2-2で試合を終わらせ、またしても世界を驚かせる貴重な勝点1をもぎ取ったのだ。

■ 決勝トーナメント進出へ、3度目の奇跡をつかみ取れ

「自分たちの国がどういうものか、世界中のみんなに見てほしかった」
初戦のあとにブビスタ監督が語った言葉通り、彼らは並み居る強豪たちを相手に、ただ引いてサンドバッグになったわけではない。確かな勇気とオーガナイズ、そして最後まで走り抜く情熱をもって真っ向から立ち向かい、自らの手で歴史の扉をこじ開け続けている。

 2戦連続のドローで勝点を2に伸ばし、歴史的な決勝トーナメント進出へ向けて大きな望みをつないだカーボベルデ。運命のグループステージ最終戦(日本時間6月27日午前9:00キックオフ)の相手は、サウジアラビア代表だ。

 世界2位のスペイン、南米の雄ウルグアイを震撼させた最注目国が、次はいよいよ16強という「3度目の奇跡」を自らの手でつかみ取りにいく。

PHOTO GALLERY ■【写真8枚】美しいスタジアムで奇跡の熱戦!19歳の神童ヤマルが躍動も…40歳ベテランGKの前に沈黙!ペドリ、ニコ、ガビが猛攻を仕掛けるもゴールが遠い!
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