■「決めるところ」と「やらせないところ」
グループ最下位の長野に敗れたRB大宮は、9勝8敗の勝点27で6位に後退した。この日の試合も含めて、負けた試合でも多くのチャンスを作っている。数多くのピンチを作られているわけでもない。
戦術的な視点に立てば、いくつかの敗因があげられる。
ただ、もう少しシンプルに考えてもいいのではないだろうか。
この試合のRB大宮は、前半だけで4つの決定機を作り出した。
長野のハイプレスを剥がして敵陣へ侵入し、ペナルティエリア内でフィニッシュした。
シンプルな縦パスに1トップの日高元が反応し、DFラインの背後を取った。ペナルティエリア内左から、際どいシュートを放った。
右MFカプリーニが右ポケットを取り、相手の目線を完全に揺さぶった。ゴール前の選手がフリーでヘディングシュートを放った。
デザインされた直接FKから、MF山本桜大が得意の右足を振り抜いた。
こうしたチャンスを得点に結びつけていれば、試合の展開はまったく違うものになっただろう。
「決めるところと、やらせないところ、というだけだと思うんです」と話すのは、MF泉柊椰だ。この25歳はJ1のヴィッセル神戸でプロデビューしており、勝負を決する「クオリティ」を目の当たりにしてきた。日本代表として活躍してきた大迫勇也や武藤嘉紀の決定力が、J1制覇につながる勝点を手繰り寄せる試合を間近で見てきた。
「J1はホントにゴール前のところ、ストライカーが点を取るところ、GKとDFが防ぐところのクオリティは違うので。23年の神戸は、どれだけ押し込まれても1回で、ふたりで点を取ってくるクオリティを持っていました。今日も僕自身にビッグチャンスが何回かあったので、あれを決めてチームに勢いを持ってこないといけない、という試合でした」
戦術や戦略はもちろん重要だが、サッカーは得点を争うスポーツだ。いかに取り、いかに取らせないか。基本原理に立ち返るのも、時には必要なのだろう。








