■日本らしい痛快なゴール
日本には、かつては中盤でパスをつなぐことを重視するチームが多かった。全盛期の川崎フロンターレや横浜F・マリノスがそうだったし、日本代表も同じだった。「パスはつながるが、ゴール前の決定力が足りない」と評され、対戦相手にも「日本にはボールを持たせておけばいい」と思われていた。
それは、代表でもクラブチームでも同じで、アジアでの戦いでは守りを固める相手を崩し切れず、カウンターで仕留められて苦杯を喫することもしばしばだった。
それを、われわれは「アジアの戦い」と呼んだ。
町田のサッカーは、その「アジア」に近いものだった。
今回のACLEで町田が決勝進出を果たすと、海外メディアでも町田を「日本らしくないサッカー」と評す向きがあったようだ。
ところが、決勝戦でサウジアラビアのアル・アハリと対戦した町田は、間違いなく日本らしいチームだった。
アル・アハリはロングボールを使って両サイドハーフ(右リヤド・マフレズ=アルジェリア、左ガレーノ=ブラジル)などの「個の力」を使って攻撃を仕掛けてきた。
これに対して、守備に自信を持つ町田は冷静に対応。そして、ボールを奪うと中盤のネタ・ラヴィや前寛之がパスをさばいて対抗した。とくに、左サイドではMFに加えてウィングバックの林幸多郎や攻撃参加してくるDFの中山雄太が絡んでショートパスをつないで相手の守備をはがし、最後は相馬勇紀につないで攻撃の形をつくった。
最後は相馬の個人能力だったが、その前の段階でのパス回しも見事なものだった。パスをつないで集団的サッカーで「個の力」で優るアル・アハリの守備をはがしていく光景は痛快なものだった。
つまり、町田は明らかに「日本らしいサッカー」をしていたのだ。












