■質・量の乏しさを物語る「偉大な記録」

 近年のオランダはストライカーの人材難。左ウイングかトップ下が適正のメンフィス・デパイが長らくストライカーを務め、今予選中にロビン・ファン・ペルシの持っていた代表50ゴールを抜き、55ゴールまで記録を伸ばした。彼は偉大なアタッカーだが、そのこと自体がオランダのストライカーの質・量の乏しさを物語っている。今回の3月シリーズで、ストライカーの第一選択肢としてマーレンを試したのも、こういった背景がある。

 そんな中、ブライアン・ブロビーは虎視眈々と正位置の座を狙っている。代表チームでの彼のベストマッチは24年9月、ネイションズリーグのドイツ戦(2-2)。スピード、フィジカル、技術でドイツ代表のCBヨナタン・ターを翻弄したブロビーは、彼を前半いっぱいで交代に追い込んだ。しかし昨季、アヤックスのファリオーリ監督の起用法に馴染めず深刻な不振に陥り、30試合出場でわずか4ゴールという、オランダ名門クラブのストライカーとは思えぬ低調なスタッツに終わった。

 心機一転、今季はサンダーランドに移籍したが、当初はコンディションが整わずプレーも低調。しかし最近はプレミアのインテンシティ、スピードにも慣れてきた。

 エクアドル戦で先発のチャンスを得たブロビーは、退場者が前半12分に出たことで1人、前線で孤立したが、後半、高速ドリブルでゴール前までボールを運び、キーパーと一対一になるシュートを打つなどした。しかし何より味方にとって助かったのは、相手CBを背負ったらしっかりブロックしてGKやDFからのロングボールを収めたり、マーカーと五分五分の勝負に持ち込んでいたこと。この日のブロビーのプレーが良かったかと問われると否だが、オランダにとって耐える試合だったことを考えると、彼の球際の強さ、キープ力、相手を後退させるスピードはチームメイトも一息つける有意義なものだった。まだ24歳。ここからデパイ超えを果たしたい。

つづく

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