■欧州での前例

 大会直前の出場チーム変更といえば、1992年の欧州選手権におけるデンマークの例がある。デンマークは予選でイビチャ・オシム監督率いるユーゴスラビアにわずかに及ばず2位に終わり、1991/92のシーズンを終えた選手たちは休暇に入っていた。しかし大会開幕10日前の5月30日、国内内戦を理由に、国際連合の安全保障理事会がスポーツを含めたユーゴスラビアのあらゆる国際交流禁止を決議した。これを受けた欧州サッカー連盟(UEFA)も目前に迫った欧州選手権への出場禁止を決め、デンマークを代替出場させることにした。

 休暇先から急きょ集められた選手たちだったが、十分な準備もできないまま、6月11日には大会初戦をイングランドと戦い、0-0の引き分けに持ち込む。そして地元スウェーデンには0-1で敗れたものの、フランスに2-1で快勝してグループを2位で突破。準決勝では優勝候補の筆頭と目されていたオランダに2-2からPK戦5-4で勝ち、決勝ではドイツに2-0で完勝して、なんと優勝を飾ってしまったのだ。

 規約では、たしかに「FIFAは自由に代替国を選べる」ことになっている。しかし不幸にもイランの出場がかなわず、代替国を決めるなら、UAE以外にはない。

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