政治がスポーツに影を落とす可能性がある。6月にアメリカで開催されるサッカーのワールドカップに、イランが参加できなくなる可能性がぬぐい切れないのだ。もちろんイランが出られることが最善だが、「もしも」の場合はどうなるのか。サッカージャーナリスト大住良之が、「代替出場」の可能性を探る。
■イランはW杯に参加できるのか
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃が始まった2月末の時点から懸念されたイランのワールドカップ参加問題は、まだ結論をみていない。
一時はイランから「参加は不可能」との情報が流れた。ワールドカップの主要開催国であり、グループステージのイランの3試合の舞台ともなるアメリカのドナルド・トランプ代表も、「彼らが出場するのは命の安全のため適切でない」などと語った。続いてイランは、すべてアメリカ国内(ロサンゼルスとシアトル)で決まっている試合会場をメキシコ国内に移すことをワールドカップの主催者である国際サッカー連盟(FIFA)に打診した。しかしFIFAはきっぱりとそれを否定した。
その一方で、イランが出場を辞退することになった場合の代替出場国がどこになるのか、さまざまな見方がメディアをにぎわしている。
最初に出たのは中国だった。「ワールドカップのマーケティングの観点から言えば、14億の人口を持ち、複数の企業が大会の公式スポンサーになっている中国を参加させることがFIFAにとって最も利益がある」といった地元サイトの論調だったが、相手にされた形跡はない。
続いて出たのは、イラクあるいはアラブ首長国連邦(UAE)というアジアの2か国の名だった。アジアサッカー連盟(AFC)の予選を勝ち抜いて出場権を得たイランなのだから、代替国もAFCから出るべきだという至極まともな考えだ。










