英ロンドン駐在記者が徹底分析「日本代表はなぜイングランドを“完全制圧”できたのか?」(1)英メディアが「お手本」と大絶賛!鎌田大地の有言実行とプレミア上位クラスの組織力の画像
三笘薫の「お手本のような得点」で、日本が世界4位の強豪イングランドをアウェイの地で撃破した。撮影/渡辺航滋(Sony αⅡ使用)

 サッカーの聖地ウェンブリー・スタジアムで、日本代表が歴史的な勝利を収めた。FIFAランキング4位の強豪イングランドに対し、スコアは1−0の僅差ながら、内容を見れば日本が試合を完全にコントロールした“完勝”と言っていい。
 現地メディアが「水のように一体となって動いた」と絶賛した日本の組織力は、なぜここまで機能したのか? 試合前日、鎌田大地が語っていた「強豪相手の戦い方」が完璧に体現された90分間を、ロンドン在住のサッカージャーナリスト・田嶋コウスケ氏が現地メディアの視点を交えて徹底分析する。この勝利は、日本代表が本気で「W杯優勝」を狙うチームへ進化したことを証明する第一歩となるのか――。【第1回/全2回】

 サッカーの聖地ウェンブリー・スタジアムには独特の空気がある。

 試合前における大げさなほどの演出、最大9万人を飲み込むスタンドの圧迫感。そこで戦う側にも、見守る側にも、「ここは特別な場所だ」と意識させる舞台が揃っている。プレミアリーグを追っていると、英国のフットボールがいかに物語を必要とし、またその物語を育てることに長けているかを日々感じるが、ウェンブリーはその集大成のような場所だ。

 その聖地で、日本代表がイングランドを相手に一歩も引かなかった。いや正確に言えば、引かなかったどころか、試合のかなり長い時間帯で相手を上回った。スコアは1−0。数字だけを見れば僅差だが、内容を追えば、日本の勝利は偶然でも幸運でもなかったように思う。準備した戦術が機能し、ゴールも狙い通りに決まり、イングランドをきちんと仕留めた末の勝利だったからだ。

  この結果をどう捉えるべきか。単なる親善試合のひとつとして処理するのは簡単だろうし、イングランド側の主力不在を理由にすることもできるかもしれない。ただ、そうやって片づけてしまうには、日本の90分はあまりにも示唆に富んでいた。試合後、英メディアはこぞってこう伝えた。「日本は素晴らしいサッカーをした」と。

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