大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第184回「W杯の開催国、アメリカ国内リーグMLSの凄さ」(3)「世界トップ5」入りも視野、降格がなく点が入りやすいゲームでスタジアムも満員にの画像
吉田麻也ら実力者が世界中から集い、スタンドも人であふれる。アメリカのサッカーは、まだまだ成長していきそうだ。撮影/渡辺航滋(Sony αⅡ使用)

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回のテーマは、あまり知られていないけど、けっこう凄いリーグについて。

■中央管理でリーグ運営

 初期のMLSの課題はサッカー用のスタジアムがまったくないことだった。クラブはアメリカンフットボール用の巨大スタジアムの2階観客席を大きな布で覆う「ダウンサイジング」を実施するなど苦労したが、1999年にオハイオ州コロンバスに2万人収容のサッカー専用スタジアムが誕生したのをきっかけに、現在では多くのクラブが2~3万人収容の専用スタジアムでプレーできるようになっている。

 MLSは、多くの点で欧州や南米、そしてそのスタイルをまねた世界のプロサッカーリーグと異なっている。その最大の違いは、選手の契約形態だろう。選手たちは、クラブではなく、リーグと契約を結び、クラブは投資家兼運営者が運営してそれぞれの地域での興行権を保障されている。

 クラブには「サラリーキャップ制」が課され、基本的な20人の保有選手の年俸総額は550万~600万ドル(およそ8億5000万~9億3000万円)に制限されている。しかし、それ以外に外国のトップスターを登録する「指定選手」などの例外も認められ、クラブの「選手人件費」が30億円を超えるクラブもある。

 メディア契約とマーケティングは、各クラブではなく、リーグが一括して行う。リーグは現在フォックススポーツ、アップルTVなどと放映契約を結び、年間60億円の収益を挙げている。リーグはまたアディダスと契約を結び、全クラブがアディダスのウェアを着用している。

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