J2首位・水戸に唯一の得点をもたらした「大卒1年目FW」の成長、J1昇格へ必要となる「ゲームの終わらせ方」のもう一工夫【紙一重の攻防ではない!?「甲府VS水戸」徹底分析】(2)の画像
J2首位の水戸ホーリーホック。大宮、そして長崎との大一番を制してJ1昇格するために必要なことは?

 2025年11月2日、J2リーグ第35節、ヴァンフォーレ甲府対水戸ホーリーホックの試合がリサイクルインクスタジアムでおこなわれた。試合は、0-1で水戸が勝利した。水戸はこの勝利で勝ち点を67にのばして首位を守った。2位のV.ファーレン長崎がジュビロ磐田に0-1で敗れたことから、水戸との勝ち点差は4に開いた。

 これから試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、以下のDAZN公式ハイライトを見てプレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=5uu6CrOVMSA&t=4s

■最近はどこのチームも「ロングスロー」

【7分の甲府のロングスローの場面】
 町田ゼルビアがロングスローを始めたときには、いろいろと話題になっていたが、今ではどこのチームもスローインの際にはロングスローを採用している。甲府もここではロングスローを使ってきた。混戦状態の中のヘディングはものすごく難しい。

 相手よりも先に「当てる」「触る」「寄る」が鉄則なので、その点に関しては水戸のトラビスはこの3つの原則をクリアしている。一度跳ね返して二度目のクリアの際に、バックステップを踏みながら到達点を予測してのヘディングなので、遠くに飛ばすことはできない。甲府のネーミアスが左足でシュートを打つ際に、プレスに行った加藤の判断がもう少し早ければシュートを打たれることはなかった。

 シュートがゴールキーパーの正面をついたので得点には至らなかっただけで、シュートを打たれたことが問題である。味方がヘディングでクリアしているときは、周りの選手はボールウォッチャーになりがちなので、細かいことだが注意を促したい。

【26分の齋藤俊輔のフリーキックの場面】
 おそらく齋藤は、インフロント気味のインサイドでキックしているので、無回転でボールを落としておきたかったのだろう。インサイドで蹴るとブレ球になるので、齋藤としては落ちきれなかったというキックだったのではないか。

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