 
    サッカー日本女子代表が勝てなくなっている。2011年にはワールドカップを制し、世界一に輝いたなでしこジャパンだが、今年4月以降、1回しか勝利がない。終わったばかりの欧州遠征でも1分1敗。なぜ勝利から遠ざかっているのか。現在のチームに、何か足りないものがあるのか。サッカージャーナリスト後藤健生が問題点をあぶり出す!
■0対2とリードされた後「ゲームを支配」
ノルウェー戦の日本は前後半にカウンターから1点ずつを失った。そして、0対2とリードされた55分頃以降は、完全にゲームを支配。相手ゴールに近い位置でボールを回して押しこんだ。そして、パスをつないでチャンスをつくる機会も増え、決定機がいくつもあった。
55分には右サイドの深い位置を取った新キャプテンの長谷川唯からの低いクロスに宮澤ひなたが合わせたが、シュートはクロスバーに阻まれた。61分には右の藤野あおいのクロスに中央で浜野まいかが合わせたが、枠の中に飛んだシュートはGKのフィスケルストランドに防がれた。
そして、終了間際の86分には高橋はなからのパスを、代表デビューとなった白垣うのがワンタッチでつなぎ、籾木結花が合わせたが、シュートはわずかに左に外れた。
結局、日本は1点も返すことができなかったが、最後の30分くらいはパスがつながり、選手たちが次々と顔を出して変化のある攻撃ができるようになってノルウェー守備陣を翻弄した。
試合の終盤にリードされているチームが押しこむのは当然のことだが、どうして全員がフレッシュな前半の時間帯にああいったパスをつないだ攻撃ができなかったのか……。
 
        






