■GDPの20%が「移民からの送金」

 この国の経済は、移民と、その送金と、そして外国からの援助に頼っているのが現状だ。とくに移民からの送金は、GDPの20%にものぼると言われている。現在では、カーボベルデ国内で暮らす約60万人を大きく上回るカーボベルデ人が外国で生活している。ポルトガル(約8万人)や同じ「旧ポルトガル植民地」のアンゴラ(4万人)などはもちろんだが、何と言っても「海外」最大の「カーボベルデ・コミュニティー」はアメリカにある。東海岸のニューイングランド地域に集中し、何と50万人ものカーボベルデ系がいるという。

 カーボベルデ代表チームのホームスタジアムは、首都プライアのナショナル・スタジアム。中国の援助を受けて1500万ドル(当時のレートで約15億円)をかけ、2014年に完成した陸上競技場型のスタジアムで、収容は1万5000人。当然、10月13日、ワールドカップ初出場を決めたエスワティニ戦では満員となった。

 しかし来年のワールドカップで、アメリカ、とくに東海岸での試合が実現すれば、カーボベルデはホームチームのように迎えられるだろう。人口約60万人のカーボベルデは、ワールドカップ出場国としては、2018年ロシア大会に出場したアイスランド(人口約39万人)に次ぐ「小国」だという。代表選手は全員海外でプレーし、集めるのも大変だが、一度アメリカの土を踏めば熱狂的な歓迎を受けるに違いない。

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