サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、人口60万のワールドカップ出場国について。
■滋賀県と「ほぼ同じ」国土面積
「大西洋の孤島」と言ってよいカーボベルデは、西北西から東南東に向かって並ぶ8つの島(バルラベント=風上=諸島)と、西南西から東北東に連なる5つの島の連なり(ソダベント=風下=諸島)がカタカナの「フ」のような形を描いて広がっている。陸地の総面積は約4000平方キロで、滋賀県とほぼ同じ。主要な13の島のうち4つは無人島である。
島々は東に向かって動く「アフリカ・プレート」に乗る火山島である。カーボベルデのある場所にだけ、地下深くから継続的にマグマが上昇し、次々と火山島を生み出してきた。
このような場所を地球科学では「ホットスポット」と呼び、ハワイ諸島の例でよく知られている。ハワイは北西に向かって動く「太平洋プレート」の下のホットスポットがつくった火山島の列で、現在は南東端のハワイ島の下にホットスポットがあって活発な火山活動が続いている。北西に向かって連なっているハワイ諸島の島は、ホットスポットから離れるほど古く、風化が進んで低くなっている。
カーボベルデでハワイ島に当たるのがソダベント諸島のフォゴ島で、この島では現在も活発な火山活動が続き、富士山のような形をしたフォゴ山が海面から2829メートルの高さまで突き出している。最新の噴火は2014年から2015年にかけてで、住民1000人が他島に避難したという。
フォゴ島の東北東隣に位置するのが、この国最大の島であり、総人口の半数(約30万人)が暮らすサンティアゴ島である。人口約16万人の首都プライアはこの島の南端にある。といっても、この島も、平坦でも緑豊かなわけでもない。標高1000メートルを超す荒涼とした火山が並び、わずかな低地で農業などが営まれているのである。








