後藤健生の「蹴球放浪記」第282回「ADカードはどこでもらう?」の巻(1) Jリーグで必要とされる「魔法の言葉」、W杯や五輪で苦労する「センター探し」の画像
メキシコW杯のADカード。筆者は写真撮影の瞬間、目を閉じてしまった!提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は世界中のスタジアムを訪れる。その際に、欠かせないものがある。スタジアムの守備を突破するために「魔法の言葉」と「カード」が必要なのだ!

■韓国の「圧迫」と日本の「報道」

 Jリーグの試合を観戦に行くとき、僕たちジャーナリストやカメラマンはスタジアム外のフェンスの入り口にいる警備員のおじさんに「プレスで~す」と声をかけて中に入ります。

「プレス」というのは英語で「押す」という意味。サッカーで「プレッシング」「ハイプレス」というように使う「プレス(PRESS)」と同じ単語です(韓国語ではサッカーの「プレッシング」のことを「圧迫」と言います。発音も日本語とほとんど同じ「アッパク」です)。

「プレス」には「印刷」という意味もあります。もともとはインクをつけた版を紙に押しつけてインクを転写する工程のことだったのですが、それが「印刷」という意味になり、さらに転じて「印刷する仕事」つまり「報道機関」のことを「プレス」というようになりました。

 ラジオやテレビは印刷はしませんし、今では紙に印刷するメディアのほうがむしろ少数派になっています。

 たとえば、僕が書いている原稿も、今では紙に印刷されるものはごくわずか。『サッカー批評』のようにWebで公開されるものがほとんどですが、それでもやはり報道機関のことを「プレス」と呼んでいるのです。

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