
サッカー日本代表のアメリカ遠征が終わった。第1戦はメキシコ代表と0-0で引き分け、第2戦はアメリカ代表に0-2で敗れた。来年のワールドカップ開催国との「2連戦」という貴重な機会に、残念ながら無得点に終わった日本代表は、どのような収穫を得たのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生がアメリカ戦後、徹底的に語り合った!
■「守備も強くなった」では宝の持ち腐れ
大住「2戦通してなんだけど、三笘薫の活かし方をもう少し考えないといけないかな、と思ったよね。交代出場したアメリカ戦でも、ほとんどの場面で相手は2人で構えていたし、三笘にボールを渡しただけで何とかしてくれと言っても、たぶん難しいよね」
後藤「相手は三笘のことを知っているんだもんね」
大住「三笘は賢い選手だから、状況を見て、無理しないで内側に入って、後ろか内側にパスするくらいしかプレーの選択肢がないというのは、日本にとってはすごく大きな損失だよね。彼が前を向いてプレーする状況をいかにつくるかというのは、チームとして構築していかないといけないことだよ」
後藤「周りに良い選手がいないなら1人でやってもらうしかないけど、脇を固めるポジションにも、いっぱい良い選手がいるわけだからね。2試合を通じて見た三笘の第一印象は、守備も強くなったな、ということ。そんなのはもったいないですよ。宝の持ち腐れだ」
大住「メキシコ戦を見て、個人で打開できるのは、やはり久保建英だという感じがしたよね」
後藤「メキシコ戦でも、久保が最初に打ったシュートが入っていれば、すべてがうまく回ったかもしれない」
大住「個で打開できるから、久保がいるかどうかというのは、このチームにとってすごく大きな要素。特に守りを固めるチームに対しては、絶対に久保が必要だよ。久保だけじゃなく、三笘の活かし方というか、日本がどうやって武器を使うかはすごく大きなポイントになってくると思う」