半年ぶりの「フルメンバー」でのプレー、崩せなかった「無抵抗」のメキシコ、浮上した「W杯本大会」での危険性【サッカー日本代表「アメリカ遠征の収穫」大激論】(1)の画像
アメリカ遠征で日本代表は、2試合通じて「無得点」に終わった。撮影/渡辺航滋(Sony αⅡ使用)

 サッカー日本代表のアメリカ遠征が終わった。第1戦はメキシコ代表と0-0で引き分け、第2戦はアメリカ代表に0-2で敗れた。来年のワールドカップ開催国との「2連戦」という貴重な機会に、残念ながら無得点に終わった日本代表は、どのような収穫を得たのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生がアメリカ戦後、徹底的に語り合った!

■「ちょっとサビついてる」「9月の試合は毎年、難しい」

――2試合の戦いぶりは、おふたりの予想や期待に、どれほど沿うものだったのでしょうか。

大住「FIFAランキングでは日本(17位)を上回るメキシコ(13位)とアメリカ(15位)に対してでも、もっとできるだろうなと思っていました。予想以下の原因になったのは、今回招集したフルメンバーでプレーするのが半年ぶりだから、という感じではありましたね。ちょっとサビついているなと、感じる部分もあったし」

後藤「もちろん、期待はしていたんだけど、ほぼ予想通り。いや、2試合を通じて点を取れなかったので、予想よりやや下かな。9月の試合は毎年、難しいじゃないですか。ヨーロッパのシーズンが始まったばかりで、選手はいろいろと問題を抱えていたりするから。

 しかも今回は長距離移動を挟んで中2日の日程だったので、相当、大変だろうなと思っていた。だから、ネガティブな予想の範囲内。2試合して1点も取れなかったのは残念だけど、そういうことをありえるな、という程度の失望ですかね」

――具体的に、点を取れなかった要因は何だったのでしょうか。

後藤「2戦目ではメキシコ戦から先発が全員入れ替わっていて、これまであまり出ていない選手や組んだことがない選手がいっぱいいたからね。アメリカ戦でうまくいかなかったのはしょうがない。

 残念だったのはメキシコ戦。完全に日本が試合をコントロールしたのに1点も取れなかったことが、一番残念だね。メキシコ相手に守備は完璧に機能していて、ほとんど90分間コントロールしたけど、ちょっと守備にエネルギーを割きすぎた。攻撃的にプレーする時間がもう少しあったらよかったな、という気がします」

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