■毎週は「できない…」試合
しかし浦和はあきらめず、DFのダニーロ・ボザを最前線に上げて「パワープレー」を展開、90分間が終わる寸前、そのダニーロ・ボザへのファウルによりゴール前26メートルでFK。これを中島がバーの下側に当てる正確無比なシュートで決め、同点にしたのだ。
そして延長戦。ここで再び浦和の守備陣に思いがけないミスが起こる。ボールを受けたGK西川に川崎FWラザル・ロマニッチが詰めて川崎MF宮城天がカット、宮城から大関に渡ってシュート。これは西川が防いだが、リバウンドを拾った大関のパスを受けた伊藤が突破しようとしたところを浦和MF関根貴大がひっかけてこの試合2本目のPKとなる。そして宮城が決め、ようやく決着がついたのである。
「2レグ制」、「180分間の戦い」には、両監督の考え抜いた戦略があり、臨機応変の対応があり、選手たちもそれに応えて死力を尽くした。両クラブのサポーターもピッチ上の熱さに負けないパワーを発揮した。ミスもあり、誤算もあっただだろう。そして川崎が準決勝に進み、浦和は奮闘むなしく敗退という明暗も生じた。しかし文句なしの激戦、熱戦であったことは間違いない。
リーグ戦とは違う「2レグ制の面白さ」が凝縮された試合。ただ、やはり、毎週こんなことはできないだろうなとは思った。









