
今回は、アルビレックス新潟のディフェンダーだった新井健二さんと一緒に、彼の古巣である新潟の現状を、8月23日に行われた第27節の対鹿島戦と、8月31日に行われた第28節の対浦和戦などから分析していきたい。
■「GKからつながなくてもいい」
――では、浦和戦を見ながら分析していきましょう。
浦和戦も鹿島戦同様、6人の新メンバーがスタメンで出場して、まったく新しいチームになっています。
まず、試合開始1分過ぎの場面を見てみましょう。左サイドからオーバラップしてきた浦和サイドバック(以後、SB)の荻原拓也にボールが渡り、彼はドリブルしてペナルティエリア中央から右足で枠内にシュートを放つ。
鹿島戦のように、試合開始早々に得点を許すかもしれない場面でした。このシーンでの問題のひとつは、新潟の右SBの藤原奏哉が浦和MFのマテウス・サヴィオに食いついて、自分のポジションを空けたことにあります。
新井 もしも藤原が前に出るのなら、サイドハーフのマテウス・モラエスがもっと頑張って戻るべきですね。もっと言えば、舞行龍ジェームズが右にズレてカバーをしにいけばいいんです。そうすれば、もう1人のセンターバックの舩木翔がスライドしてジェームズのポジションに動けばいい。藤原の動きにつられてジェームズも食いついてしまっているんです。
センターバックのこの判断はすごく難しくて、サイドバックが前に出たら横のセンターバックはスライドしないといけない。そうすれば、もう1人のセンターバックが横にズレてくる。このシュートは決められてもおかしくなかったですね。ジェームスがカバーに行っていれば、フリーに近い状態でシュートを打たれることもなかった。
僕は、このプレーは判断ミスだと思います。鹿島戦もそうですが、相手がハイプレスを仕掛けてきていたら、無理にゴールキーパー(以後、GK)からつながなくてもいいわけです。あのプレーもGKの判断ミスです。
相手がプレッシャーをかけているんだから、ボールを蹴るなりして鹿島をいなせばいい。そうした場合の判断は選手に任されているので、基本はGKからつなぐんだけど、時間帯とか状況で大きく蹴るのもありなんだと判断しないとならない。
――まずは7分の出来事がありました。前にも話したんですが、小原基樹がドリブルからシュートを放つんですが、ゴール左に外れる。ここはシュートじゃなく、パスです。やっぱり何度も見返したけど、このシーンはパスを選択するべき。なぜなら左に白井永地がフリーでいて、右にはブータがフリーでいる。2人とも「なんでパスを出さないんだ!」と両手を広げてアピールしている。これは判断ミスだと思う。
新井 浦和の選手4枚に囲まれた時点で少し考えないといけない。逆に言えば、小原1人が4枚を食いつかせたんですよ。当然、浦和の守備陣も人数が少なくなる。小原は、最初ファーサイドにシュートを打とうとしたと思います。しかし、カットインした時点で、右側からディフェンダーが来るのが見えたから、ニアサイドにシュート打った。移籍してきて結果を出したい気持ちはよくわかるんですが、ここはチームの勝利のための選択をしてほしかったですね。